キヤノン EOS 90D ~ ここに来て光学ファインダーのAPS-C機が出た
出典:キヤノン 公式
キヤノン(Canon)の一眼レフ EOSシリーズで中堅クラスを担っている2桁番台に、新製品が出ました。その「EOS 90D」は、前機種「EOS 80D」に代わる新しいAPS-C機です。
外見は前機種とあまり変わっていませんが、機能については強化された点も多く、APS-Cデジタル一眼レフの完成形を目指した作りになっています。それでは、私の目に留まった機能を中心に紹介します。
撮像素子(センサー)が強化された
出典:キヤノン 公式
撮像素子(センサー)の画素数が、3,250万画素になりました。APS-C機なのにこの高画素数は、フルサイズ機も真っ青な数字です。
また、高画素になっても連写機能が強化されていて、ファインダー撮影で「10枚/秒」、ライブビュー撮影では「11枚/秒」と、「EOS 7D2」以上の連写機能を持ちました。連写機能ではミラーレス一眼カメラより分が悪いデジタル一眼レフですが、十分な連写機能を有しています。
ファインダーでも顔認識ができる
通常、顔認識や瞳認識で写真を撮る時はライブビューを使いますが(ミラーレス用の「デュアルピクセルCMOS AF」を使う)、光学式ファインダーを使う場合でも顔認識して追尾ができます。これは、「EOS iTR AF」という機能を使って実現しています。人を撮る時で、しっかり構えて撮影したい時に活躍してくれそうです。
また、光学式ファインダーを使う場合のオートフォーカス測距点は従来と同じ45点ですが、十分だと思います(多いと選ぶのが大変)。しかし、ライブビューの方は143点あるので、ミラーレス一眼カメラの優位性が随所に表れますね。
そして、測距エリアの指定に「スポット1点」が加わりました。これは、光学式ファインダー、ライブビューどちらでも使えます。ピンポイントの焦点合わせに有効でしょう。
マルチコントローラーが付いた
出典:キヤノン 公式
EOS XXDには大きなマルチコントローラー(ダイヤル)が付きますが、その上にもう一つマルチコントローラーが付きました。これは、小さなジョイスティックのようなコントローラーで、親指で四方八方に傾けて使用します。
光学式ファインダーを使う場合でフォーカスポイントを指定する時に、マルチコントローラーは便利でしょう。
バッテリーの持ちはデジタル一眼レフならではの長寿命
撮影可能枚数が、「EOS 80D」に比べて大幅アップの「1,860枚(+23℃)」になりました。これは一般的なミラーレス一眼カメラよりもずっと多い枚数です。ライブビュー撮影では「510枚(+23℃)」なので、いかにミラーレス一眼カメラが電池喰いなのかが分かります。
一度にそんなに写真を撮らない人が多いと思いますが、気温が低い条件ではデジタル一眼レフの方が安心できるでしょう。
やっぱり光学式ファインダーが良いという人におすすめ!
ミラーレス一眼カメラの話題で持ち切りの昨今ですが、「EOS 90D」はデジタル一眼レフの良さを再確認してくれるカメラです。デジタル一眼レフと言っても、液晶モニターによるライブビューでミラーレス一眼カメラと同様の撮影が出来ますし、撮像素子を使うことは同じですから写真の品質は変わりません。そして、豊富なEFレンズが使用できることは、アドバンテージがあるとも言えます。
今回の「EOS 90D」を見て、私にはやっぱり一眼レフが良いのかもと思いました。キヤノン初めてのAF一眼レフ(フィルム)だった「EOS 620」を買ってから一眼レフを使い続けているので、一眼レフに馴染んでいます。確かに、APS-C機でもカメラ本体が大きくて重いのがネックですが、アウトドア用でなければ良い選択だろうと思いました。
被写体の光を直接見ることができる一眼レフ機も、被写体の本質を忘れないために一台は持っておいてはいかがでしょうか。