北海道を代表する川での釣りを語ってみる

2022年8月13日

私の住む北海道は、トラウト天国と言って良いほど、多くの川にトラウト系の魚が棲んでいます。そこで、簡単ではありますが、代表的な河川の釣りを紹介します。これを読めば、すぐにでも北海道に行きたくなるでしょう。

石狩川

層雲峡大函を流れる石狩川

北海道一の大河、石狩川長さも流域面積も北海道一で、北海道を代表する川として恥じない大河川です。

しかしながら、あまりにも大きい川であることから、本流での釣りは上流部が主になっています。それでも、近年はサクラマスの遡上が増えて、各支流でヤマメ釣りが楽しめるようになってきたようです。

本流での代表的な釣り場は、大雪湖でしょう。大雪湖育ちのアメマスは、海遡上のアメマスとそん色ない大きな魚体で、釣り人を楽しませています。その下流の層雲峡付近もニジマスなどの好釣り場です。

石狩川の支流も魅力的なので、紹介します。

空知川

石狩川水系で最も大きな支流である空知川。釣りの分野では、石狩川本流よりも有名でしょう。それは、イトウが生息するからです。まだ石狩川本流にもイトウはいると思いますが、釣るとなると空知川水系雨竜川水系になります。

空知川では、金山湖から上流部イトウがいます。また、アメマスも多く、釣り人を楽しませています。(空知川の北落合橋から上流は、4月中旬から6月中旬(要確認)まで、イトウの産卵を守るために禁漁期間となっています)

朱鞠内湖

雨竜川の上流部に、北海道でも有数の大きさを誇るダム湖、朱鞠内湖があります。ここは、イトウ釣りのメッカです。恐らく、北海道外からの釣り人が一番入りやすい釣り場だと思います。ここは釣りガイドさんも多いので、利用してみてはいかがでしょうか。

2023年5月14日に、朱鞠内湖釣り人がヒグマに襲われるという悲惨な事故がありました。こちらの存在をヒグマに知らせておけば大丈夫という常識が通用しない時代になったかもしれません。十分に注意してください

千歳川

インディアン水車

千歳川は、札幌に近いトラウト釣り場として人気があります。しかしながら、千歳市街から上流部が釣り場ですが、王子製紙のダムや発電所施設があるために、釣り範囲は意外と限られています。

ニジマスブラウントラウトヤマメの魚影が濃いです。また、上流にある支笏湖は、ヒメマスアメマスが釣れます。

夕張川

千鳥ヶ滝
千鳥ヶ滝

夕張市内を流れる夕張川は、中、下流域がいつも濁っていて、あまり魅力的な川とは言えません。ところが、シューパロ湖上流のシューパロ川各支流は、アメマスの釣り場として一世を風靡しました。そのため、魚影が一時期少なくなりましたが、近年は資源が回復してきているようです。

ただし、ヒグマ生息密度が高い場所ですから、十分な注意を払って釣りをしてください。

天塩川

北海道第2の川の長さを誇る天塩川。下流にイトウ、中流域にニジマスアメマスなどが生息します。そして、道北という地理から釣り人が少なめで、ヤマメなどの魚影の濃さも魅力です。

十勝川

北海道第3の太河、十勝川。長さは大したことがないのですが、流域面積がとても広い川です。そのため、数多くの支流があります。そして、どの支流でもトラウトの姿があります。

十勝川も大きな川のため、本流では上流域での釣りになります。上流域は、ニジマス釣り場として名が知れ渡っています。また、支流のどの川でもニジマスが釣れます。

このように十勝川水系はニジマス天国ですが、在来種のヤマメに関しては壊滅的な時代がありました。しかしながら、千代田堰堤の構造が変化したことにより、徐々に復活しています。それでも、まだ復活途中なので、釣れてもリリースしてあげてください。

イトウも生息していますが、そう簡単には釣れないでしょう。支流の利別川にいたイトウは、絶滅したようです。

音更川

音更川の主なニジマス釣り場は、音更町駒場より上流から糠平ダムまでの間になります。この区間の音更川は渓相が良いとは言えませんが、安定してニジマスが釣れることで人気です。

然別川

然別川もニジマス釣り場として人気ですが、2016年台風被害で中流部の川底が削られてしまい、ちょっとした峡谷状になっている部分があります。これは、砂防ダムや堰の下流で良く起こる現象で、付近の川でも同様な場所があります。このような場所は、川岸からとても深くなっているので、釣りには細心の注意を払ってください。特に、突然の増水で逃げ場がない時もありますから、できればこの区間での釣りはお控えください。

札内川

カムイエクウチカウシ山などの日高核心部を源とする札内川は、渓相が素晴らしく釣り人に人気です。主なターゲットはニジマスで、ピョウタンの滝から戸蔦別川合流点までが主な釣り場です。しかしながら、名前のとおりピョウタンの滝から下流は水がどんどん伏流してしまうため、夏場には流れが小さくなってしまうことがあります。やはり狙い場は、ピョウタンの滝から中札内村にかけてでしょう。

札内川ダムより上流もニジマス釣り場になりつつありますが、ここは本来、オショロコマの棲むエリアです。これ以上、オショロコマのエリアを狭めないで欲しいです。

支流の戸蔦別川は川の水が伏流することがないため、札内川以上に釣り人に人気です。札内川との合流点から上流の砂防ダムが現れるあたりまで、ニジマス釣りが楽しめるでしょう。

佐幌川

新得市街から佐幌ダムまでの区間がニジマス釣り場として人気です(キャッチ&リリース区間です)。また、佐幌湖にあった漁業権は2024年からなくなりました。佐幌湖にはニジマスやアメマス、ワカサギなどが生息しますが、放流事業はなくなると思いますので、リリースを徹底したいところです。

芽室川

芽室川は、芽室市街から中流域までニジマスの釣り場として有望です。また、上流域はオショロコマが生息していますが、台風被害とニジマス汚染が進んでいるため、釣らないでほしい場所です。

昔、上流域にはエゾイワナが生息していました。釣りに行くとエゾイワナとオショロコマが混生していました。ところが、取水施設ができたころからエゾイワナが姿を消し、オショロコマだけになりました。通常はエゾイワナにオショロコマの生息域が狭められていますが、十勝の周辺の河川では、エゾイワナの方が消えてしまう現象が起こっています。オショロコマよりも強いエゾイワナですが、人間の手の方がはるかに影響が大きいようです。

猿別川

猿別川は、千代田堰堤の下流で十勝川に合流します。そのおかげで、ヤマメが釣れる川として貴重な存在でした。それは今も変わりませんが、主役がニジマスになっています。

猿別川は平野部を流れる川にしては水量があります。それは、札内川の伏流水が猿別川に流れ込んでいるためだと思います(確かではない)。そして上流部はスプリングクリークの様相で、楽しい釣りができます。

利別川

利別川は、本流の十勝川と同じくらいの長さがあります。そのため、渓流釣りをするならば、足寄から上流がターゲットとなります。利別川もニジマスが定着し、本流では最上流までニジマスが侵入してオショロコマはほぼ駆逐されてしまったようです。支流もニジマスの生息域が拡大していますが、これ以上、オショロコマの生息域を脅かさないようにしてほしいです。

尻別川

尻別川も、イトウで有名な川でした。しかし、今は絶滅寸前から回復途中にあります。

それでも、ニジマスヤマメエゾイワナが釣れる名河川であることには変わりありません。中流域でもサクラマスを確認しましたが、河川型もしくは湖沼型として再生産があるようです。

鵡川

鵡川は、最上流まで魚の遡上を阻止するダムがありません。ところが、サケサクラマスアメマス類が激減してしまった川です。(理由はいろいろ考えられますが、確定的ではないようです)

しかし近年、サケサクラマスの遡上が復活してきて、ヤマメが釣れる川として知られる存在になりました。でも復活途中ですから、そっとリリースしてください。

鵡川でターゲットとする魚はニジマスです。占冠周辺のゆったりと流れる鵡川でのニジマス釣りは、素晴らしいものです。少し懸念なのは、上流部のエゾイワナが少なくなってきたようです。これは釣り人のせいではないかもしれませんが、釣れても丁寧にリリースしてください。

本流には最上流部までオショロコマがいませんが、支流にオショロコマがいる川があります。しかしながら、鵡川水系ではオショロコマはそっとしてあげてください。

釧路川

釧路川

釧路川は、屈斜路湖を源にする大河です。釧路湿原を流れることで有名で、ゆったりと蛇行しながらコーヒーブラウンの水が流れているイメージの川です。

釧路川の釣りと言えば、イトウ釣りが昔から有名です。とくに昔は一番人気の川でした。今は道北の川の方がイトウ釣りでは有名ですが、釧路川イトウも健在です。それでも、以前よりは生息数が減少していることから、保全活動も行われています。

そのほか、アメマス釣りも良く行われています。また、釧路川は支流も多くあり、ヤマメも多く生息していますが、イトウアメマスの影に隠れて、あまり目立ちません。贅沢な話です。

釣り場としては、岩保木水門から五十石付近までがイトウアメマスの狙い場です。また、イトウアメマスが狙える支流としては、仁々志別川雪裡川などがあります。ヤマメアメマスであれば、かなり広範囲で釣れるでしょう。

釧路川カヌーのメッカですから、お互い譲り合って趣味を楽しみましょう

以降、追加予定

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