テンカラ釣りの対象魚

2020年5月30日

テンカラ(Tenkara)釣りは、イワナを釣ることを目的に生まれた釣りなので、大型魚を釣るのには向いていません。

そのため対象魚は、イワナやヤマメに限定されます。簡単に紹介しましょう。

エゾイワナ(アメマス)[White Spotted Char]

川の上流で釣れたんだけど、アメマスっぽい

北海道で最もポピュラーなイワナは、エゾイワナです。エゾイワナは、アメマスの陸封魚で、サクラマスの陸封魚であるヤマメと同じような生態です。

ヤマメと同様に、エゾイワナも最大30cm程度の大きさです。それは、降海型のアメマスが70cm位になるのに比べれると小さいです。しかし、アメマスも川での釣りが許可されているので、あまりエゾイワナアメマスの区別をする必要がないことも事実です。

また、ダムなどで堰き止められてしまうと、ダムで大型に成長して川に上ります。これも、アメマスに該当します。大雪湖など、湖沼型のアメマスは各地で見ることができます。

エゾイワナも、オショロコマと釣り方がそれほど変わりません。それに対してアメマスは大型なので、ミディアムライト以上のルアーロッドを使う必要があります。ニジマスと比べると引き味は劣りますが、在来魚でもありますから釣ってみてはいかがでしょうか。

ヤマメ [Cherry Trout]


ヤマメ
は日本を代表する渓流魚です。北海道ではヤマベとも呼ばれますが、最近はヤマメと呼ぶ場合が多くなりました。

北海道のヤマメは、北に棲むために降海性があります。特にメスはほとんど海に降りてしまいサクラマスになります。オスは強い個体のみ川に残り、それ以外は海に降りてサクラマスになります。つまり、北海道で釣れるヤマメは、ほとんどオスです(海へ降りる前のメスは除く)。

そのため、サクラマスが堰堤などで遡上できなくなると、オスしかいないため、ヤマメが絶滅してしまいます。このような経緯で、北海道ではヤマメが激減し、放流に頼るようになってしまいました。少しずつ改善はしていますが、オショロコマのように昔からの天然魚とは言えない状況の川が多いです。

また、北海道は漁業権のある川が少なく、ヤマメ釣りも遊漁券はいりませんが、ヤマメが海に降りる4〜5月5月〜6月だけは禁漁になります。2ケ月のどちらになるかは、地方によって異なりますので確認してください。大まかには、北海道の西半分が4〜5月、東半分が5〜6月です。

食べてもおいしいヤマメは、放流しても釣り切られてしまうことが多く、なかなか定着しない問題があります。特に、海へ降りる前の1年魚を躊躇なくキープする人が未だにいます。1年魚は次の年に海へ降りてサクラマスになるのですから、釣ってしまうとヤマメ資源が激減します。

釣ってキープするなら、川に残ったヤマメだけにしてください。個人的にはほとんどリリースですが、キープするなら20cm以上で2匹程度と考えています。20cmあれば、もう海に降りる個体ではないと思います。

北海道では、サクラマスを川で釣ることが禁止されています。そのため、ゲームフィッシングという意味では、ヤマメは人気がないかもしれません。しかし、私のようなテンカラ師にとっては、釣りの対象としてオショロコマ並に大切な魚です。

オショロコマ [Dolly Varden Char]

オショロコマは、北海道だけに棲むイワナです。主な生息地は、大雪山、日高山脈、知床などの冷涼な地域です。また、道央でも、魚止めの滝があるような場所では、滝の上流にオショロコマが取り残されているケースがあります。

日本では北海道だけですが、世界的には日本より寒い地域に幅広く棲んでいます。寒さに適したイワナなので、今の日本では気温が高すぎる傾向があり、南方系のエゾイワナアメマス)に生育域を奪われてきています。

日高山脈でも、南側はすっかりアメマスに侵略され、中央部から北側でオショロコマが何とか対抗している状況です。皮肉なことにダムが多くなり、エゾイワナが逆に少なくなってしまった場所もあります。

オショロコマは、釣りとしては外道として扱われていました。それは食べてもおいしくないのと、食べ物に貪欲なため簡単に釣れてしまうことから、ヤマメとは違い敬遠されました。

しかし、側面の朱色の斑点が美しく、キャッチ&リリースが当たり前の世代が増えて食べることがなくなったので、釣りの対象として見直されています。太古の自然が残った場所で釣れるので、それを求める人が多いです。

放流がほとんどない貴重なサケ科の魚です。釣れた時は、そっとリリースしてください。

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ニジマスは対象魚? [RainbowTrout]

ニジマスは、紹介したヤマメイワナと同じサケ科の魚なので、テンカラでも十分釣れます。しかしニジマスは、魚体が50cmを大きく超え、タックルにかかる負担は並大抵ではありません。リールの付いた仕掛けで、ドラグを調整しながら魚が弱ってから取り込む必要があります。

このように、テンカラ釣りでニジマスは釣れますが、大物が釣れてしまうと手の施しようがありません。私の場合ですが、35cmのニジマスが釣れた時でさえ、取り込みまでは10分程度掛かりました。

テンカラ釣りでニジマスを狙う時は、小河川で大物の確率が低い川で釣ると良いでしょう。

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