今購入できるカセットデッキ「TEAC W-1200」の紹介

2019年1月6日


出典:TEAC公式

カセットテープで音楽ソースを高音質で録音できるカセットデッキは、CDやレコード、FMラジオの録音に欠かせない製品でした。今はMP3などのデジタル音源で録音しますが、何か味気ない淋しさもあります。そのため、昔のようにカセットを使いたいという方もいらっしゃると思います。

また、昔に録音したカセットテープが大量に残っている人もいるでしょう。しかし、カセットテープの音をデジタル化する製品はあるのですが、カセットデッキとしての性能が低すぎます。やはり、当時並みの性能を持ったカセットデッキから音をデジタル化したいものです。

そんなカセットデッキを探してみました。

残念ながら昔のクオリティを持つ製品はない

最初から残念なお知らせですが、現在手に入るカセットデッキの性能は、昔の製品よりも大きく劣ります。

例えば回転精度はワウフラッターで表しますが、昔のカセットデッキは、0.0xx%くらいの精度を持っていました。また、周波数特性も20khzくらいはあったはずです。今のカセットデッキは、それらに遠く及びません。

TEAC W-1200

今、どうしてもカセットデッキを購入したい場合は、TEAC W-1200と、同じくTEACのAD-850くらいしか選択肢がありません。

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TEAC W-1200にしても、性能は以下のとおりです。

ワウフラッター 0.25%
周波数特性 30~15kHz
ノイズリダクション Dolby B相当

ワウフラッターも大きいし、周波数特性も不十分です。またノイズリダクションも、昔良く利用したDolby Cには対応していません。カセットはDolby Cを使わないと満足できる音質にはならなかったのです。Dolby Cで録音したカセットテープをDolby Bで再生しても、音がおかしくなります。

でも、これ以外の選択肢がないのが実情です。

それでも良い点はあります。USBデジタル出力端子があるので、パソコンでカセットテープをデジタル化することが容易です。カセットソースをデジタル化させる目的が第一ですから、一番音質の良いTEAC W-1200は最適です。

かつてTEACにはとんでもないメカと回路にワンウェイ機と言えば3ヘッドにデュアルキャプスタンが当たり前でしたが、現在のカセットデッキ・テープ需要では新たに開発はコスト的に不可能です。W-1200は部品制約から通常の2ヘッド。オートリバースメカ生産終了の為のワンウェイ化ですが、結果的に2ヘッドでも先先代より音質は良くなっています。TEACの社員さんも安定性・耐久性は増しているとインタビューで言っていましたがその通りでした。

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技術の進歩からか、数値以上に音が良いという口コミもありました。実機で確認できる人は少ないでしょうが、期待に沿える製品だと思います。

急がないと高性能カセットデッキは消滅します

カセットデッキのメカ部分の生産は終了しているそうです。在庫がなくなり次第、販売終了になりそうなので、欲しい人は急いだ方が良いでしょう。

確かに音質には問題ありますが、そもそもカセットテープ自体が劣化しているので、必要以上にクオリティを求めなくても良いのかもしれません。

意外なことに、カセットテープ自体の需要はなくなっていません。巻き戻しが容易なカセットテープは、一部の人に今も利用されています。性能を求めないカセットデッキ自体は、これからも細々と生産されるでしょう。でも、あくまでも最低限の性能しかありません。

昭和を生きてきた人であれば、ここでカセットデッキを購入しておいてはいかがでしょうか。